メメントの森

金環日食ぐらいのスパンで更新されます。

装甲娘、ありがとう

装甲娘 ホーム画面

本日、『装甲娘-ミゼレムクライシス-』のサービス終了が発表された。

ロードマップの更新が無かったり発表されていた高難易度コンテンツの実装も無かったりで、薄々そんな気はしていなくもなかったが、やはりこうして実際に発表されると、それなりにキツい。

「周回」「スタミナ」などの要素があるゲームが個人的に苦手で、この手のソシャゲは1か月とて続いたことはなかったが、『装甲娘』に関してはリリース初日から一年間、毎日欠かさずにスタミナを消費していたし、それが全く苦に感じないぐらい楽しんでいた。

おもえばこのブログも、最初は「装甲娘の面白さを広めたい!」という思いで開設したものだった(実際に広められたかは別として)。

mementomori-eater.hatenablog.com

 

ここまで装甲娘に夢中になれた理由は、やはり『ダンボール戦機』の外伝的作品として非常にクオリティの高いシナリオと、単純かつ奥深いバトルだ。

原作キャラが登場したり、「そうは問屋がオリオン座」とかいう原作のガチファンじゃないと知らないような原作ネタがあったり、表面的な部分でも『ダンボール戦機』の新作というには十分であった。が、それだけでなく「LBXをホビーに戻す」といった、原作のテーマも踏襲していて、『ダンボール戦機』のストーリーが好きな人なら好きな人ほど、夢中になれるシナリオだと思った。

ダンボール戦機』もロボットアニメの例に漏れず、熱狂的なファンが多いので、『装甲娘』の発表当初は、私含め「LBXの美少女化」というワードに拒否反応を示す人は少なくなかった、というかそういう意見が殆どだったと思うが、今やそういったファンの多くに支持されるコンテンツになったのは、本当にすごいことだ。

戦闘も、バフをいっぱい重ねて高火力で殴る、という非常に大味なものだったが、これがまた爽快だった。バフの追加のタイミングが結構難しくて、新しいユニットを入手する度に新しい立ち回りを研究するのが楽しかった。

 

でもまあ、サービスが継続できるほどの売り上げが出せなかったのも事実で、その一番の理由は、やはりリリース直後のスタートダッシュで躓いたことだと思う。初期の装甲娘は、システム面にかなり多くの不備を抱えており、コロナの影響もあっただろうが、それの修正に手間取っていたのが痛かったと思う。リリース前はそれなりに注目されていた印象だが、ここで離れていく人が多かったのは間違いない。

集金体制も非常に弱く、装甲娘のランキングイベントでは2位~1500位のプレイヤーが同じ報酬をもらえるのだが、この1500位というライン、無課金キャラだけでも立ち回り次第で余裕で入れるラインなのだ。最適解のパーティーで出撃しないと上位には入れないくらいのシビアさはあってもよかったと思う。ソシャゲなんだから。連合イベントも上位50位の連合が最高報酬を受け取れたが、この50位というラインは装甲娘の総プレイヤー数に対してあまりにも低く、私の所属している連合も、それほどガチではなかったが、常に最高報酬をもらっていた。殺伐さが足りない。

ゲームと全然違う内容でアニメ化したのもよくなかった思う(止まらない愚痴)。ゲームの方を途中で作り直したせいであそこまで乖離した内容になってしまったのだろうが、アニメでゲームを活気づけるつもりなら、無理にでも同じ内容にするべきだったと思う。アニメの方のストーリー全然面白くなかったし。アプリ内でアニメとのコラボをしている時もその告知も全然してなかったし、せっかくのアニメ化を全然活かせてなかったのが残念でならない。

あと、個人的に一番謎なのが、屈指の人気を誇る原作キャラ、「花咲ラン」を全然実装しない事。ハーフアニバーサリーの際に花咲ランの登場が発表され、界隈が盛り上がったのは記憶に新しいが、その後引っ張るだけ引っ張って5か月経った今でも実装どころかストーリーにすら登場させてないのは、本当に意味が分からない。公式Twitterによると5月にミネルバ改が実装されるらしいのでおそらくこれがランちゃんなのだろうが、あまりにも遅い。遅すぎる。もっと早く花咲ランをガチャにだけでも実装して、花澤香菜さんのサイン色紙をプレゼントするRTキャンペーンでもやっていれば、絶対にプレイ人口の増加に繋がったし、初期から大きく改善された今の装甲娘を知ってもらえたはずなのだ……

 

10年前に『ダンボール戦機』のタイトルが発表された時から、常に夢中でこれを追ってきた私が太鼓判を押すのだから、『装甲娘』が素晴らしいコンテンツだったのは間違いないのだ。それだけに運営の至らなさがあまりにも歯痒くて、愚痴が多くなってしまったが、『装甲娘』によって、数年間音沙汰無しだった『ダンボール戦機』がプラモの再販やアニメの配信、PUSの開催など、再び動き出したことは忘れないし、『ダンボール戦機』の歴史に、『装甲娘』という新たな1ページが刻まれたことは、心から喜ばしいことだと思う。何より、ここまで楽しい日々を提供してくださった関係者の皆様には、感謝しかない。本当に。

原作キャラの現在の姿をもっと見たかったし、『装甲娘』の世界をまだまだ楽しみたかった。サービス終了までのあと2か月ちょっと。夢中になったソシャゲが終わるという人生初の体験を前に、ソシャゲというものの儚さを改めて噛み締めている。