メメントの森

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「One Determination」で頭がおかしくなった男のペルライ2022Day.1感想

 長いようで短かったペルソナ25thイヤーの締めくくりとして開催された、「PERSONA SUPER LIVE P-SOUND WISH 2022 ~交差する旅路~」。私もP3ファンの端くれとして、P5RとP3の曲がメインとなる、Day.1のほうに現地参加しました。

 

 

 いや~良かったですね。今回のライブは初の試みとして、日程ごとにメインの作品が分けられていたのですが、これのお陰で近年のペルライでは珍しくP3本編のストーリーの流れを意識した…ある意味で原点に立ち返ったようなセットリストだったのが印象的です。

 

 物語の象徴たる「Burn My Dread」から始まり、穏やかな日常を彩る「Want To Be Close」から一変、激しい戦いを盛り上げる「Fate is In Our Hands」「Mass Destruction」「Deep Breath Deep Breath」。再生と決意の「One Determination」。全てを己が力とする、覚悟の「Burn My Dread – Last Battle –」、そして言わずもがな「キミの記憶」。

 

 これに加えて、S.E.E.S.のみんなに与えられた、ある種EXターン的な憩いの場の「Our Moment」と、いい意味で手堅い選曲だったと思います。ペルソナシリーズの中で唯一P5Rをプレイしていないので、そっちの曲はよく知らなかったのですが、特に「Take Over」と「I berieve」はめちゃくちゃ盛り上がりましたね

 

 一応1日目がP5RとP3、2日目がP5SとP4というコンセプトなはずですが、P5Sの通常戦闘曲2曲も披露されました。P5S大好きなので相当嬉しかったです。ソフィア……。っていうか結局P5Sの通常戦闘曲は2日目では披露されなかった訳ですが、これP5S目当てで2日目だけ行った人は大丈夫なんですかね。「Daredevil」と「Counter Strike」聴けたの羨ましすぎるからセーフか。小西さんの異聞ペ戦闘曲のギターも気持ちよすぎましたね。

 

 演出も、後述する1点を除いては最高でした。「Burn My Dread – Last Battle –」で、モニター上のP3 HEROとアイギスがS.E.E.S.のダンサーさんに入れ替わるところとか凄かった。というか私、2017年のペルライに参加してないのでキャラに扮したダンサーさんとか無線制御ペンラとか初めてだったんですけど、すごい良かったですね。ダンスの仕草一つでどのキャラかすぐ分かるくらいダンサーさんの理解度と表現力がすごかったし、無線制御ペンラも、いちいちペンラの色変えるのに脳のリソースを割かなくていいので、ライブに没入できました。曲ごとに作品の色にカチカチ変えるのも楽しいんだけどね。

 

 「Burn My Dread」のサビでペンラが一気に青から赤になるところとか凄いP3の持つ二面性を感じたし、「キミの記憶」でペンラがアイギス色になるのも新鮮で良かったです。

 

 ていうか「Want To Be Close」のダンサーさん。あれ、見ましたか?見てない人はこんなカスブログ今すぐ閉じて配信買ってください。月光館学園の日常がそこにあるから。ちなみに私は万年金欠なので配信を買うつもりはなかったのですが、これと「One Determination」観た過ぎて、ライブの帰り道でDay.1の配信買いました

 

 で、今言った「One Determination」ですよ!これ、ペルライ2022個人的ハイライトです。選曲、歌唱、演奏、ダンス、演出、映像、すべてが噛み合いすぎてた。

 「Rivers In the Desert」の興奮冷めやらぬ中、会場が暗転。聴こえてくるのはシリアスなピアノの音色。「One Determination」だと脳が理解したときがヤバかったです。時勢柄、声出しは一切禁止だったのですが、「ハ…ファア…」みたいな吐息が漏れました。自分の過去と対峙した結果、命を落としてしまう荒垣さん。P3M#3はここから始まります。

 ここで一回目の転調。アニメでは最後の満月ボス+ストレガとの戦闘が始まるところですね。CD音源の時からそうなんですけど、ここのLotus Juiceさんの歌声セクシー過ぎ。まさかこれ生で聴ける日がくるとは思いませんでしたね。元のアニメと同じく、主人公を除くS.E.E.S.のメンバーでの戦いとなります。そして二回目のピアノパート。先のピアノパートで倒れた荒垣先輩がここで立ち上がって再び踊りだすの、現地で見たときはちょっとシュールに感じちゃったんですけど、改めて配信で見返すとこれしか考えられないくらい良いですね。命は落としても、確実に荒垣さんはS.E.E.S.として共に戦ってるんだよなぁ……。

 で、川村ゆみさんが入ってくるパート。ここで戦線復帰するP3 HERO…いや、結城理!!まじで完璧すぎる。今、私「PERSONA3 THE MOVIE #3 Falling Down」観てる???そのままラスサビ。もう筆舌に尽くせないってレベルじゃねえぞ。さらにソロで花道に出て、葛藤しだす伊織順平。頭がおかしい。急に「PERSONA3 THE MOVIE #3 Falling Down」欲張りセットみたいになってるじゃん。ここで圧倒的パワーでラスサビを歌い上げる川村ゆみさん。そしてLotus Juiceさん。脳が焼き切れるわ。想定したレベルを遥かに超えたものがくると思考停止しちゃう。でステージ上のモニター見たら、すべての記憶を取り戻した望月綾時と結城理がムーンライトブリッジで対峙してるいや、「PERSONA3 THE MOVIE #3 Falling Down」観終わったけど。この数分で映画一本が体を突き抜けていった。もはや「Light in Starless Sky」聴こえるが。

 

 配信だと一点のカメラ分しか観れないのが惜しいですね。円盤が出た暁には、5視点分くらい観せてほしいです。

 

 

 

 

 

 

 ……でまあここからちょっと個人的にモヤモヤした場所の話なんですけど……

 「キミの記憶」。観た方ならわかると思いますがゆみさんの歌唱、桜の演出。ものすごくよかったじゃないですか。ただ一点、バックの映像がよ。感動的なアイギスと結城理の屋上での映像に混じって、P3M版の綾時殺害ルートの映像がちょくちょく流れてたのが気になった。いや、気になったとかいうレベルじゃないけど気になった。まあ、確かにこの場面のS.E.E.S.の面々は一見いい笑顔してますよ。でもこれって今までの戦いや犠牲を放棄した仮初の笑顔じゃん。

 屋上エンドと綾時殺害ルートを対等に扱うところに私は原作P3の美学を感じているので、綾時殺害ルートのことをバッドエンドだとかは口が裂けても言いたくない訳ですが、でもやっぱりライブも終盤「キミの記憶」のバックで流していい映像じゃないと思う。だってこれ「Burn My Dread – Last Battle –」の後に歌ってるんだもん。今回はそういうストーリー性のあるセトリじゃないですか。であれば、ここで「キミの記憶」が持つべき物語性と綾時殺害ルートの映像は、テーマがかけ離れているどころか、正反対ですよ。結婚式で山崎まさよしの「One more time, One more chance」流すようなもんだよ

 しかもこの映像の何がヤバいって、「キミの記憶」のバックに綾時殺害ルートの映像を流すこと単体で見れば、何も間違ってないところなんですよね。何故なら、原作ゲームP3の綾時殺害ルートのエンディング曲も「キミの記憶」だから。さっき綾時殺害ルートはバッドエンドじゃないって言ったけど、P3のあの温かくて美しい世界が好きだから、やっぱり心苦しい結末ではあるじゃないですか。何が言いたいって、川村ゆみさんの歌唱や演奏が素晴らしければ素晴らしいほど、胸の苦しさが増していくんですよ。

 例えば「PQ2」とかいうゲームは、かつてP3の非常にセンシティブな話題に土足で上がり込みながら、無知なのをいいことに好き放題荒らして去っていったわけですが、まあここまで間違ってたら、自分の脳内で無かったことにするのは容易なんですよ。しかし此度の「キミの記憶」は、あながち間違っていないがゆえに、逃れられない苦しさがくるのがヤバすぎる。しかも川村ゆみさんの歌唱がすさまじいことで「重み」がさらに増していく反転術式かな?

 これまで完璧なP3を浴びて、あとは「キミの記憶」で感極まるだけだったのに、この仕打ちはあんまりだよ。待ちに待ったペルライでなんで私はこんなやりきれないモヤモヤを感じてるんだ。なんならそのあとの輪廻転生verの「Deep Breath Deep Breath」でも綾時殺害ルート擦ってたよ。何が「交差する旅路」だよ。綾時殺したらP4もP5もないよ。でもTwitterでこのことに触れてる人は一人も見かけなかったし、普通に私がマイノリティだし、気にしすぎなんだよな。だからTLに水を差さないように、Twitter上じゃなくてこんな辺境ブログで愚痴ってる節はある。

 

 

 いやでも気になったのはこの件ぐらいで、総評したらめちゃくちゃ楽しいライブでしたよ。最高の演出で「One Determination」を聴けたことは一生忘れないです。あと帰り道のTwitterフォローキャンペーンみたいなやつでP3のシール引き当てられてすごい嬉しかった。

 

グッズ群

 

 ペルソナ25thイヤーもいよいよ終わりですが、振り返ってみたら本当に楽しい一年でしたね!ライブもそうだし、25thフェスも最高に楽しいイベントでした。あとあんまり話題になってなかったけど、ペルソナとμ'sがコラボしてショップまで出したのは、未だに夢なんじゃないかって思ってます。ここら辺は過去の記事に書いているのでもしよかったら見ていってください。

 こういうイベントのたびにペルソナ大好きだなってなるし、中学生のころからの付き合いなので、本当に今に自分の一片を形作ってる作品です。

 新作発表がなかったのは、流石に開発上の事情などを邪推せざるを得ませんが、気長に待ちます。P5Rも移植版で初プレイするつもりだしね。30thの折にはフェスの移植とトリニティソウルにも触れてくれたら何も言うことないよ^^